要救助者発見時の行動について【救急隊からのお願い】
執筆者: 紫月零矢 |
2023-07-03 00:06

日頃、私たちの命を守ってくれている救急隊。
だが、円滑な救助活動を行っていくには時に、市民の協力も必要となる。
そこで、救急隊隊長の相沢子辰氏より、市民に向けて大切なお願いがある。
▼要救助者を発見した際には
私たち市民は、倒れてしまった際、救急隊員に対して自身の居場所を知らせる通知(※)を送信することができる。
※Rの筋肉による任意の通知、もしくはダウン後4分30秒経過後に自動送信される大ダウン通知
だが、最近、「救急隊員が通知を受けて現場に向かうと、要救助者が移動していて見つからない」というケースが度々発生しているとのことだ。
救急隊員が通知から知りえることができるのは「通知がどこで発信されたか」という情報のみ。
そのため、通知後に要救助者が移動してしまうと状況の把握が難しくなってしまう。
現場で患者が見つからないとなると、捜索の為に人員や時間を割く必要が出てしまう他、場合によっては事件性を疑わなければならなくなってしまう。
そのため、要救助者を発見した際には以下のことを意識して行動して欲しいとのことだ。
①要救助者が既に救急隊に対する通知を送信している場合、要救助者を発見してもその場から動かすことなく待機して欲しい
②何らかの理由によって通知を送信していない要救助者を病院へ運ぶ場合でも、大ダウンによる通知が送信されたらその場で待機するか、道中での大ダウンが想定される距離ならばその場から動かず、大ダウンによる通知を受け取った救急隊が駆けつけるのを待って欲しい
また、要救助者がいる場合には上記の他にも「要救助者の居る場所、状況」について救急隊員へStateアプリから連絡を行う。
分かりにくい場所でのダウンの場合、現場に到着した救急隊員を案内するため周辺で待機する。
……など、円滑な救助活動の為の情報提供を行ってくれると助かるとのことだ。
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目の前で要救助者が発生した時や、要救助者を発見してまった場合、ついパニックになり「一刻も早く病院へ連れて行かなければ」と考えてしまうこともあるかもしれない。
だが、救急隊は通知により要救助者の位置を把握し、素早く駆けつけてくれる。
その為、私たち市民としては、個人の判断で動くのではなく、救急隊を信じて待つことが、円滑な救助活動の何よりもの助けとなるのだ。