街の夜を照らし続けた「Violet Rose」――物語のバトンはオスカル氏から野川サクラ氏に

執筆者: 舎捨 大 | 

2025-10-23 22:30

サムネイル:街の夜を照らし続けた「Violet Rose」――物語のバトンはオスカル氏から野川サクラ氏に

去る10月20日深夜、街の老舗バー「Violet Rose(ヴァイオレット・ローズ)」の店長、オスカル・アカマツェル・ド・ジャルジェ氏が勇退した。
同氏はこの街が開かれた最初期から現在に至るまで、2年以上にわたりカウンターの内側から街の夜を見つめ続けてきた人物だ。

オスカル氏が最後にカウンターに立った10月20日の夜から21日未明にかけ、店には多くの常連客が姿を見せた。
客との思い出話に花が咲くその輪の中心にたたずむオスカル氏は、まるで静かに幕を下ろす舞台の主人公のようだった。

この日、日付が変わった深夜25時頃、オスカル氏から客とスタッフに向け、最後のあいさつが行われるとともに、もうひとつの発表があった。
以前から「後継者を探している」と語っていたオスカル氏が、自身の後を託す新店長として、長年の友人であり同業の仲間でもある野川サクラ氏に経営を引き継ぐことを発表したのだ。

オープン以来、Violet Roseは多くの人にとって『帰る場所』のような存在であり続けてきた。
仕事終わりの一杯を楽しむ人、友人と語り合う人、この店はそれぞれの夜を優しく包み込んできた。
その空間を支えてきたのがオスカル氏であり、彼の人柄そのものが店の空気を形づくっていたといっても過言ではない。
オスカル氏勇退の知らせは多くの常連たちの間に驚きと寂しさをもたらしたが、同時に彼が満足して店を託せる相手が見つかったことに対する喜びを語る声も多く聞かれた。

街の夜を見守り続けたオスカル氏の足跡は、これからもViolet Roseの中に息づいていくだろう。
新たな店長 野川サクラ氏のもと、Violet Roseは再び次のページを開く。
ミステリアスな明かりが灯るその場所で、今日も誰かの物語が綴られていく。

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