【書籍紹介】心にあたたかな明かりがともる「てっどとこっこ クリスマスツリーをさがそう」
執筆者: 言文書店 |
2025-12-05 21:00
冬の足音が近づき、街にはほんのりクリスマスの気配が漂いはじめました。
今回は忙しなさとワクワクが同居するこの季節にぴったりな、心までぽかぽかと温めてくれる一冊『てっどとこっこ クリスマスツリーをさがそう』をご紹介します。
主人公は、街で暮らすくまのこ『てっど』と、元気いっぱいの『こっこ』。
物語は、ふたりがある日、Cafe Planet.の店先に飾られたクリスマスツリーを目にするところから始まります。
きらきらの飾りに目を丸くしながら「ぼくらだけのツリーをさがしにいこう!」とあわてて飛び出し、島じゅうをめぐるほのぼのとした冒険へとつながっていきます。
病院で働くおにいさん、街をうろつくヘルメットのおじさん、チキンを食べたいカジノのオーナー──行く先々で出会う人々は、みんなふたりをやさしく迎え、そっと背中を押してくれる存在ばかり。
ページをめくるたびに、まるで自分もふたりを見守っているような、やわらかな気持ちが広がります。
この絵本が特別なのは、ただ『ツリーを探す物語』なのではなく、クリスマスが近づくときに子どもが自然と抱く、なんだか落ち着いていられないようなワクワクした気持ちを丁寧に描いているところ。
幼いころ、玄関を開けた瞬間に感じた冬の匂い、街の灯りが少しだけ明るく見えたあの時間──そんな懐かしい記憶までそっと呼び覚ましてくれます。
物語の最後には、てっどとこっこがたどり着く『あたたかな場所』が、静かに優しく描かれています。
このふたりの冒険はきっと、子どもにとっても大人にとっても、胸の奥にやさしく残るクリスマスの宝物になるはずです。
『てっどとこっこ』は、読み聞かせにも、自分だけの静かな時間にもぴったりの一冊。
今年のクリスマス、誰かの心にそっと明かりをともす贈り物として手に取ってみてはいかがでしょうか。
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絵本『てっどとこっこ クリスマスツリーをさがそう』
きかく:くまのこてっど
おはなし:こっこ